「美波が引っ越したのは、その後すぐだったんだ」
「もしかして、それだけで和希くんは木下さんのことを諦めたの?」
聞いていて気分がいい昔話ではないけれど、それ以上に今は確かめたいことがある。
「ああ、俺んち貧乏だからさ。美波の恋愛対象には入ってないんだなと思って」
「バカっ!!」
私が急に大声で叫んだから、和希くんは驚いてびくっと体を震わせた。
「え、なになに?」
「だって、和希くんが全然わかってないんだもん!!そんなの木下さんは恥ずかしいから苦し紛れに言っただけじゃん!!」
だって誰が聞いたってそうでしょ?

