【完】るーむしぇあ。

窓を開けていても朝の学校は静かで、朝練をしている運動部の声もグラウンドから少し離れたこの場所にはあまり届かない。


目を閉じて"Over the Rainbow"の歌詞を思い浮かべる。

その歌詞の中で、『私』は星にお祈りして虹の向こうの国に行って、『私』の悩みごとなんてレモンドロップみたいに溶けてしまっている……。



曲を終わりまで吹き終わって目を開けると、さっきより少し輝きを増した世界が広がっていた。


太陽の角度が変わっただけかもしれない。

だけど、たしかに分かったことがある。



私はフルートが好きだってこと。

やめてしまうなんてできないってこと。