【完】るーむしぇあ。

合宿最後のみんなでした合奏……私は、すごく集中していたと思う。

私の頭の中にはコンクールとか木下美波の存在とか、雑音みたいな色んな感情は消えていて、ただその場に集中できていた。


それは和希くんの言葉のおかげなんだけど。


「君は目の前のことしか見えなくなるときがあるね?だけど幸い、それに気付くことができた。それを忘れないでこれからも頑張りなさい」


「……はい!!」


先生は私の返事を聞いて嬉しそうに頷く。

そして少しだけ寂しそうに暮れ行く空を眺めた。


「ホントはね、僕も全員でコンクールに行きたいんだ。だけど仕方ないからね……」