【完】るーむしぇあ。

休日の校庭はとても静かで、隅っこに立っているクスノキがざわざわと揺れる音がする。


「君は何か聞きたいことがあるの?」


先生に聞きたいこと……ありません、と言おうとして少し考えた。


「……来年のメンバーに選ばれるにはどうすればいいですか?」


私の質問に、先生はにっこりと笑う。


「君は気付いているよね。それをいつも忘れずに演奏することができればいいんだ」


先生はそう言って、鞄から何かを取り出して私に差し出した。


「これは?」


「合宿での合奏の録音だよ。1回目と最後のを聞き比べてごらん。僕は最後の合奏での君の音を聞いて、メンバーに入れるか迷ったんだ」