「やるなら徹底的にやらないとさ」
「はい、すみません」
……ちょっとだけ練習場所から抜けて、というか、大ちゃんに連れ出されて、説教されてるなう。
「いや、わかるよ。気持ちはさ、だけど──」
大ちゃんの言葉は電源が切れたように突然途切れ、彼の視線は何かを捕らえていた。
「佐々木さん、練習さぼって彼氏とデート?」
木下美波だった。
「彼氏じゃないって。ちょっと休憩してただけ。戻ろ、大ちゃん」
微笑みを浮べて私たちに手を振る彼女。
「大ちゃん?」
急に静かになった彼を心配して、その表情を伺うと……
私には静かになった理由がすぐにわかった。

