【完】るーむしぇあ。

晩御飯までは個人練習の時間にするという指示が出たから、私は楽器と譜面台、楽譜を抱えて外へと飛び出した。


夏空はどこまでも晴れ渡り、木陰は涼しく過ごしやすい。

こんな場所で楽器を吹けるなんて、気持ち良いに決まってる。



どうせなら誰もいないところで練習したい。

そう思って、みんながいる場所から少し離れた場所を歩いていると大好きな音が聞こえてきた。



クラリネットは木でできているからかなぁ。

その音はとても自然にこの場所に溶けていて、まるで風のよう。





がさっ



し、しまった。

聞き惚れていたせいで楽譜を落としちゃった……。