学校に着くとすでに観光バスが止まっていて、部員たちが次々と乗り込んでいた。

ああ、和希くんの隣に座りたい。


「和希く――」
「かずくんおはよう。よかったら私の隣座って?」


き、き、き、木下美波!!


「おはよ。ああ、まあ、別にいいけど」


ここで彼女とばっちり目が合う。

……勝負はもう始まってるってことね。


和希くんはちらりと私を振り返ったけど、結局は彼女の横に座ってしまった。


「やられた……」


「え?何が?」