「え?」 私が聞き返すと和希くんはゆっくりと私の方を向いた。 「佐々木が綾香と色んな話をしてくれるようになってから元気になったような気がするから」 「え?!そ、そんな……私何もしてないよ」 角部屋のこの部屋には窓が2つあって、やっと暮れ始めた日は真横から私と彼の表情を照らす。 少しの沈黙。 そして、オレンジ色に染まった部屋で、彼は私を見てそっと微笑む。 「ありがと」 優しい微笑みに言葉も意識も吸い取られてしまったように、私は何も言えず、ただ1度頷いただけだった。