「佐々木さん、こんなところで何してるの?」 「えっと、バイトだけど。木下さんは?」 木下美波の余裕の笑み。 「今はかずくんと話していただけだけど」 "今は"って言葉をなぜに強調する?! さらに私が知りたいのはそこじゃない。 なぜこの場所にいるのかってことだ。 だけど彼女はそれ以上を言わずに、「じゃあ、頑張ってね」と言って、廊下を出口の方に進んで行った。 彼女の上品なワンピースが風にふわりと揺れる。 私はTシャツにジャージ。 ……なんだか急に自分が惨めに思えてきた。