【完】るーむしぇあ。

綾香ちゃんの無邪気な笑顔と、無表情な和希くん、そして、勝ち誇った顔の木下美波。


妙な沈黙が午後の病院に漂う。

ゴウゴウと自動販売機だけがうなりをあげている。


「綾香、もう検査終わったの?」


均衡を破ったのは和希くんだった。


「うん、でも先生がね、お兄ちゃん呼んで来てって言ってたの」


「そっか」


彼は缶コーヒーの残りを飲み干して、丁寧にゴミ箱へ捨てる。

スチール缶は別の缶に当たって乾いた音を立てた。


「おねえちゃん、またあとでね」


そしてさらに重い沈黙だけが残った。