しばしの沈黙後、陵は俺を一瞥してから何も言わずに教室へ入っていった。 壁の柱に凭れている俺は呆然と鈴村を見つめるだけ。 まさか、喧嘩? 「なんかあったの?」 聞いちゃいけない気もするけど、気にならないわけがない。 鈴村は苦笑いを浮かべる。 「瑞希こそ、何があったんだ?その足」 誤魔化された。 やっぱり聞いちゃいけない話なのかよ。 なら顔に出すなアホ、と内心愚痴りながら「転けた」と応えた。