余裕なフリしてそう言うと、瑞希は素っ気なく目線を下げた。
「嫉妬したらいけないのかよっ……」
はっきり言って可愛すぎる。
男のくせに可愛いってどういうことだよ。
照れ隠しなのか拗ねているのか、俺から距離を離していく瑞希をいじめてみたくなる。
「お前さ、そういう可愛いことしてっと我慢できなくなるから止めとけ」
「……え、意味が分からないんだけど」
「襲うぞって言ってんの」
「…――ッ!?」
瑞希の顔が真っ赤になったのは言うまでもない。
いつの間にか瑞希は俺の隣にいて、バスが来るまで結局何も話さなかった。



