「………」
「………」
学校を後にして数分。
バス停でバスを待つ俺たちの間には、異様な空気が漂っていた。
HRが終わり次第、瑞希の教室へ行ったわけだが、ここまで来るのに一言も交わさなかった。
瑞希はさっきからチラチラと俺を見てはいるが、何を遠慮してか全く何も言わない。
それが可愛くて俺はずっと黙りこんでいた。
だがそろそろ何か言わないとまずい気がした。
「何さっきから見てんだよ」
って俺はツンデレか。
自分の発言に呆れて瑞希を見下ろすと、すぐに目線を反らされる。
「別に、見てないし」
頬を赤くして俯く瑞希の言葉に、笑いが込み上げてくる。



