「お、陵ー。まぁた怒ってんの?その顔恐いって~」 「………」 余裕な顔でやってきた鈴村を思い切り睨む。 だが鈴村は怯む様子もなくヘラヘラと笑っている。 「はい、ごみ。宜しく」 そう言ってごみ袋を置いて戻ろうとする鈴村を俺は「おい」と引き留めた。 「瑞希、俺と付き合ってっから」 足を止めた鈴村は一瞬黙り込むと、振り返りもせず「へえ」と言って校舎内に戻っていった。 訳分かんねーやつ……。 去り際のあいつの低い声が耳に残って、また怒りが募っていた。