「えっ!佐賀くん!?」 視線をそらしていると、少し離れたところから聞こえた甲高い声。 俺の方が"えっ"て言いたい。 振り返った先には何度か話したことのある女子3人がいる。 そして陵が顔を引きつらせたのも何となく察した。 「佐賀くん、その松葉杖どうしたの!?」 近寄ってきた1人の女子が驚いた顔で聞いてくる。 名前なんだっけ。 「ちょっと色々あった」 「大丈夫?」 「ああ、大丈夫。心配ありがとう」 笑顔でお礼を言うと、女子3人は頬を紅潮させながらどこかへ走って行った。