昼休み、俺は陵の教室を覗いた。
と同時に陵と目が合った。
半ば睨まれた気がするけど、なるべく悟られないように手招きした。
するとあからさまに嫌そうな顔をしながら陵は教室を出てきた。
「なんで来たんだよアホ」
陵さん酷い。
嫌そうな顔するし拒絶してるし、そんなに俺が嫌いかと精神的ショックを受けそうになったとき、陵に頭を撫でられた。
……意味分からん。
「足怪我してんのに出歩かなくても俺から行く。だからお前は来んな」
「え……もしかして、心配してくれてたの?」
ため息をつく陵。
「悪いかよ」
―――。
陵が顔を隠してるせいか、俺は変な妄想で顔が熱くなった。



