次の日も学校から帰ると兄貴がいた
だからって別になにってわけじゃないしふつうにテレビを見ていたら兄貴が話しかけてきた
「おまえも甲子園行く??」
はぁぁぁぁあ!?甲子園!?
いきたいに決まってる
でもなんで私が……
「べつに行きたくないなら良いけど
でもお盆だしもう休みだろ??
それに部活もないし」
いきたいに決まってる
青葉岡の試合だよね??
「行っていいの??」
「応援は多いほうがいいだろ」
「いくっ!!」
急遽決まった甲子園行き
でもふと頭の中にみんなが出てきた
なんか罪悪感…
みんなを裏切ってるような気がした
みんなががんばっているのは私が一番よく知っている
それなのにみんなを差し置いて私が甲子園なんて行っていいのかな??
「爽なら連れてっても良いぞ
あと、愁都も行くらしい」
愁都も行くんだ
私ほんとに行ってもいいのかな??
「マネージャーの私がみんなを差し置いて甲子園行っていいのかな??」
「おまえが行きたいなら行けばいいだろ??
まぁあとに三人なら何とかなるかな……」
明日一応みんなに話してみようかな……
ほんとは楽しみなはずなのに
「凜!!ちゃんと勉強しないと行かせないよ」
途中でお母さんが話しに入ってきた
なんか小学生みたい
「はーい!!」
……………爽にならいいよね??
私は玄関を飛び出して爽の家に向かった
インターホンをならすと爽のお母さん
「あ、凜聞いたよ??(笑)
凜がお嫁に来てくれるなんて最高じゃない(笑)」
またその話か(笑)
ってかなんで結婚が前提なんだよ!!
「よろしくお願いします(笑)」
そのあとは爽は部屋にいるって聞いたから爽の部屋に行った
思いっきり部屋のドアを開けたらやけに中は静かだった
え??いないの??
なんだいるじゃん……
ベッドの上で気持ちよさそうに寝ている爽を見つけた
自分でもって気づかないうちに食い入るように爽の寝顔を見ていた
なんでこんなきれいな顔してるんだろう??
不公平だよ
いつまでもこうしてるわけにはいかないから爽の肩を揺らして起こした
「……んだよ……」
寝ぼけている爽を少しかわいいと思ってしまった
「爽!!甲子園行こっ!!」
しばらくぽかんとしている爽
「おまえなにいってんの??」
やっぱりいきなりはまずかったか(笑)
「兄貴が一緒に行っても良いって!!」
「………まじかよ
行くっ!!行くに決まってんだろ!!」
とりあえず爽は嬉しいみたい
「あと2、3人なら一緒に連れてっても良いって」
「へぇ……
どうやって行くんだよ??」
兄貴の話だと青葉岡からバスで行くらしい
もちろんバス代は取られるらしいけど
「青葉岡のOBと一緒に連れてってもらえるんだって
夜行バスらしいよ」
「へぇー…
じゃあおまえ絶対バス俺の隣な??」
え??
まぁいいか
「うん
でもほんとに行ってもいいのかな??
みんなを差し置いて甲子園なんて……」
「そんなこと気にしなくていいんだよ
おみやげ買ってくればいいんじゃね??」
ほんとにいいのかな??
「そうだね……」
こんな感じで私たちの甲子園行きが決まった

