「あなた、車にひかれたのよ。ほんとに覚えてない…?」
そう言われて思い出した。
わたしはここに来る前、いつも通り学校から帰宅していた。
その日はだいすきなアーティストのCDが買えて早く家に帰りたくて走っていた。
そしたら…交差点で横から車がきたんだ。
「…うん、思い出した。わたし、ひかれたんだ…」
「それでね、ひかれる直前にいずのことを庇ってくれた子がいて…
だからいずはこんなに軽いケガですんだのよ。
軽いってゆっても、そんな軽いもんじゃないけどね。」
そうなんだ…わたしのことを誰かが助けてくれたんだ。
じゃあその人は……無事なの?

