「早い~っ」


「ちゃんと掴まってろよ?」








言われた通り、
背中にぎゅっと手を回す。






とくん、とくん







どちらのものか分からない心臓の音が耳に響く。








「駿、落ちるってー」

「落とさねぇから、安心しとけ。」








耳元で聞こえるその声に
私はいつもドキドキさせられる。









少し勇気を出して
貴方の横顔を見てみた。



風に靡く髪。
真っ直ぐ前を見る瞳。









あー、もう大好き!









「ね、これからも毎日乗せてよね?」


「じゃあ、ここはお前の特等席だな。」







直ぐに返ってきたその言葉。
胸が暖かくなった。





ぎゅっと力を込めて抱きしめた駿の体。













「…大好き。」











これからもずっと。






END