夏が過ぎ、少し涼しくなってきた。
文化祭が明後日に迫ってきた。
みんなこの日の為に一生懸命劇の練習や、クラスの出し物の準備を頑張ってきた。
私のクラスは、おばけ屋敷をすることになっていて、もう準備は終わってしまった。
「美香ぁ~、一緒に帰ろうよぉ~」
声を掛けてきたのは、幼馴染の安藤加純、今どきの高校生だ。
「もう?てか、うちのクラス何か放課後集まれって言われてたじゃん。」
「あ~~そうだった~めんどくさっ!」
・・・加純はこういう性格だから大半の女子には嫌われている。私もはっきりいって苦手なタイプだが、親同士が仲がいいから一緒にいないとうちの親がうるさいのだ。
「そんなこといわずにい行こう?」
「はぁ~い・・・」
この時、加純の言う通り帰ってればよかった・・。


教室に行くと私たち以外全員集まっていた。
「美香遅いよ~」
というのは松田カレン、クラス、いや学年のリーダー的存在だ。
ハーフのくっきり美人で、男子にも人気がある。
「ごめん、ごめん。てか集まって何するのかな?」
「私もわかんないよ。まあ、とにかく二人ともすわれば?」
私と加純は席に着いた。みんな退屈そうにしている。
一体呼び出したのは誰なのか、誰も知らないのだ。
みんなの携帯に
Re:


2年B組の人は放課後集まるように。



end
と書かれていただけだった。
アドレスも学校のパソコンのもので誰がいつ送ったのか、なぜかわからないのだ。


1時間が経ちみんな次第にイライラしてきた。
そしてとうとうしびれを切らしたやつがでてきた。
「・・・おいっっ!いつまでここにいなきゃいけねんだよ!」
そう言い出したのは花塚卓郎、・・まあ今でいうヤンキーだ。
「お、落ち着いてください!卓郎さん!」
「そうっすよ!てか、もう帰っちまいましょうよ。」
子分の、真と剛がいう。
「ああ・・そうだな・・。」
「ちょっと!勝手なことしないでよ!」
カレンが言い返す。
「うるせーんだよ!クソ女が!1時間も待ったんだぞ!いたずらだったんだよ!」
剛がさらに言い返す。
「なによ!あんたなんか卓郎がいないとなにもできないくせに!」
「なんだとこのアマ!!」
剛がカレンの胸倉をつかんだ。カレンは小さな悲鳴をあげた。
その時だった。
「・・・っっぐうっ・・・」
突然剛が苦しみだした。
カレンをつかんでいた手の力が緩み、カレンは床に座り込んだ。
「ぐぅっっ・・あがっ・・あぁっ・・」
女子は」次々に悲鳴を上げている。
私も何をすればいいのかわからない・・・。
一体、何が起きているのか。
「おいっっ!!てめーら何ぼーっと見てんだ!!早く救急車呼べ!」
卓郎の言葉でみんなはっとして携帯を取り出した。
「お、俺がかけるよ!」
クラス委員の富永くんが言った。
「あがっっ・・た・・たすけ・・ぐふぅっ!」
「きゃーーーー!!」
剛が血を吐いた。もう私はただただ立ち尽くしていた。
「おいっっ!!早く!剛が死ぬだろ!」
「な、なんか・・・繋がんないんだよ・・・携帯・・」
震えた声で富永君がいう。
「うそっ・・・・」
カレンが携帯を見た。
「・・・圏外だわ・・。」
青ざめた顔で言った。
「ありえねぇだろ!ここは学校だぞ!圏外なはずねぇだろ!!」
剛はもうぐったりしている。もう意識も朦朧としている。