ウシロスガタ 【完】

『割り切ってね…』


『初めから叶わない恋なのよ……』



俺の中で、その言葉だけがグルグル回り続けていた



「ちくしょーー!!!」



俺は1人、部屋で叫びながら携帯を壁に叩きつけた




悲しくて、


辛くて…


苦しくて……



この気持ちを何処にぶつけていいのか分からず、




もう脱力感でいっぱいだった。




どのくらい時間が経ってしまったんだろう…



さっきまで、明るかった部屋が、少しずつ暗くなりはじめていた




コンコンーーー。



その音に我に返り、俺はドアの方に目をやった



「翔?いんのか?」


「いねーよ!!」


「おい、開けんぞ?」



俺の了解もなしに、兄貴は俺の部屋に入ってきた



「何やってんだ?」


「あぁ?うるせーよ!!」


「負けたのか?」


「だから、うるせーって!!なんなんだよ!!」


ベッドから起き上がり、頭をグシャグシャにした


「なんなんだよ、おめーは…、つーか電話!!中西から!!」


「分かったから、行ってくれよ!!」


バンーーー!!!



おもいっきり、ドアを閉められイライラしながら部屋を出た