送信画面のまま


携帯の画面の上の方に
ついているメールのマーク……


冷夏の返信の早さに俺は
戸惑いながらもメールを開いた



《最近、おかしいんだ…
翔クンが頭から離れないの》



部屋の窓からは
外が明るくなった事を知らせていた



冷夏かのメールを見て、
俺は頭の中が真っ白になり


自分が今いる状況を掴めずにいる



“冷夏が、俺の事を…?”


毎日、毎日が冷夏でいっぱいだった


冷夏が好きで…
何処かで冷夏を俺のものにしたいとそう願ってた



叶わないと思っていた
俺の願い……




俺は返信ボタンを押し、
真っ白な画面を見つめていた。




この白い画面の中に
俺の伝えたい気持ちがおさまるのか……



―何も答えなくていいから何も言わないで…―



そんな冷夏からのメールを
思い出し俺はメールを打った



《俺もだよ…》



たった4文字の言葉を
打つのに、どれ位の時間がかかってしまったのだろう


俺の今までの気持ちが
白い画面に打たれたのは
たったの4文字だけ。




《翔クンが好き…》



そんな冷夏のメールに
俺は息苦しくなり、



携帯を見つめながら
また冷夏が愛しくなった



―何も答えなくていいから何も言わないで…―



冷夏の言葉に不安を抱きながらも、気持ちは込み上げるばかりだった



《俺は何も言っちゃダメなの?》



《うん、何も言わないで》



なぜだろう…



嬉しいはずなのに、



信じられない気持ちでいっぱいで



こうなる事を願ってたはずなのに



俺は苦しくて…
不安でいっぱいだった