その日も
いつものように、



俺はベッドの中で
携帯を片手に冷夏とのメールのやり取りをしていた。



そして……


今日は俺も冷夏も、
様子がおかしかったんだ




気持ちを抑えきれなくなってしまったのか、



俺は冷夏からのメールの返信に、頭を抱えながら
言葉を選んではメールを確認しながら送信をしていた




《でもさ、好きでもどうにもならない事もあるよね》


そんな冷夏の何気ないメールに俺はベッドから体を起こし、



なぜか…


力が入りながらメールを返していた




《どうにもならない事なんて、そんなのねぇ~だろ?一概にとは言えないけど》




“好きでもどうにもならないことなんてねぇ~よ!!肝心なのは好きかどうかだろ…”




冷夏のメールに少しふてくされながらすぐに返信をした




《そうかな…あると思うよ?どんなに好きでも…
好きでもさ我慢しなきゃいけない事とかってあると思うの。》



《なんで?なんでそんな事言うの?》




《だってさ、好きな気持ちなんていつ変わるかどうかなんて分からないでしょ?》





一瞬だけ……



一瞬だけ、
あの痛みが俺の胸に走った



傷ついたあの頃を…


苦しんだ、あの頃を…






そして


俺の前から簡単にも
消え去って行った




俺が恋した女が一瞬だけ俺の脳の中を横切った