冷夏とさっき一緒に感じてた生ぬるい風を感じたくて目を瞑った


“こんなに真夏の夜の風って心地良かったっけな…”




夏なんて
クソくらえと思っていた



こんな季節なんていらねぇと…




そんな俺の心が
だんだん変わって行ったんだ




「はぁ~」


俺は窓の風を感じながら
深くため息をついた




冷夏の険しい表情…



それが、まるで錯覚だったかのように見せる笑顔…



冷夏を知りたいと思えば思うほど、



俺の中で混乱していく




「なんなんだよ…」



そう言いながら、ベッドに寝転んだ。




《お前って本当に謎だよな?》


そんな心の不安そのものを冷夏にぶつけていた



《なんでよ??》



《いやぁ、わっかんねぇ~マヂで…。》



《そう?結構わかりやすい奴だよ??》



「なにがだよ…」



頭をグシャグシャにしながら、メールの返信を続けた


《なぁ…?お前ってなにモンなんだよ》


《なにモンって…普通の女だよ(笑)》



《なんか。すごく壁があるような気がしたけど気のせいかな?》



そのメールの返信を冷夏が返してくることはなかった





《寝たのか?おやすみな…》






俺はこの日もまた、
眠りにつけず…






冷夏から今まで入ってきたメールを



何度も何度も読み返し



久々に開けた窓から差し込む光を浴びた





眩しい光が今日もまた



猛暑を知らせていた




そして、冷夏の傍で立ち塞ぐ大きな壁を……



まだ越えられずにいた……