ウシロスガタ 【完】

俺は冷夏からのメールに見入りながらも、急いで返信ボタンを押した



《店に行かせたくなかった》



《冷夏だって、行きたくなかった……》



冷夏の言葉なら
今までなんでも信じてきた



なのに……
なんでだろう




俺は不安なんだ


喜ぶべきなのかもしれないのに



俺は怖いんだ




冷夏?



冷夏は俺を思ってくれているの?




冷夏?



凄くこえーよ……




「……ろよ?」



「えっ?」



「不安な気持ちはよく分かるよ、でもよ…好きなんだろ?」




「あぁ…おかしくなりそうな位にな」




「なら、信じろよ…好きな女信じられなくてどうすんだよ?」



「………」




「冷夏チャンはそんな女じゃね~ことくらい、お前が
1番分かってんだろ?」




「あぁ……」



「なら信じてやれよ!てかお前、幸せ感じる所だろーが!」



中西の言葉に
少しだけ笑った



そして冷夏にメールをした

《あ~!!離さなきゃよかった(笑)なんてな!仕事がんばれよ!!》



《うん…ありがとう♪頑張るね!!》


さっきまで、いや…


ほんの数分前まで俺の隣で笑っていた冷夏が一気に遠くに感じた



「おい!!さと、飯でも食いに行くか!!」


「だなっ!!腹減ったわ」


「よし!お祝いだな☆」


「まだ、わかんねぇ~じゃねぇ~かよ…」


「はい、マイナス思考よくない!!」


「はい、はい…」



俺は中西と柄にも似合わず

近くのファミレスに入った




話す内容は全部が冷夏の事なのに……



何を言わずに俺の話しをずっと聞いてくれていた中西はやっぱり最高の友達だった。