ウシロスガタ 【完】

「ふぅ~~」


大きく深呼吸をしながら、俺は携帯を開き



受信されたメールを開いた



“冷夏”



その文字が目に
飛び込んで来ただけで




心臓が壊れちまうんじゃないか…って位に動き始めた




「冷夏チャンから?」



「あぁ……」



そう一言だけ
言い放った俺に、


中西は何を悟ったのかそれ以上は突っ込んでこなかった


「えっ???」


俺は、メールを見ながらボー然とし



ただ、鼓動が速くなる事だけがはっきりと分かった




《冷夏も、もっと一緒にいたかった》



見間違いでも、



ないのであろう。




そのメールは
冷夏からの物だった



「さと?大丈夫か?」



そう心配そうに覗き込む中西に、



俺は開いたままの携帯を渡した




“冷夏も、もっと一緒にいたかった”



その文字が頭から離れず、ただボーっとしていた



「おい…さと!!やったじゃんか!!何をボーっとしてんだよ!!早く返信しろよ!!」



「なぁ…夢じゃねぇよな?」



「何言ってんだよ!!仕事中に入れてきてんだから今のウチに…」



「俺、騙されてるのかな…?」



「バカか!!早くしろよ!!」



突きつけられた携帯を慌てて取り、



俺はまた、その画面を見つめた