ウシロスガタ 【完】

俺はポケットにしまいこんだ携帯を出し開いた



《冷夏が好きだよ…》



そう、メールを打ちながら


送信できないで
ただ画面を見つめていた



逢いたい…



でも、



逢えなくなる事の方が
もっと辛い…




これ以上、冷夏を好きでいる自分を抑える事も
辛すぎて




それでも、気持ちを伝えて冷夏が離れて行ってしまうことを考えるだけで





俺は怖かった





作ったメールを消し、




一人…
溜息をついた





冷夏へ伝えたい気持ちを封印しながら



ただ、画面だけを見つめていた



「冷夏……」



これから



俺の知らない男の横で、



あの笑顔を
振りまくのだろう…



これから



俺の知らない空間で


男と楽しそうに
話をするのだろう…




そう考えるだけで



頭がおかしくなりそうだった