ウシロスガタ 【完】

《うん!店だよ~どした?》


《いや俺、今からパチ行くから冷夏は店なのかな?って思って》



《店っ!!じゃぁ店の前にパチ屋寄るよ》



《本当かよ?テンションあがるんだけど~!》



《行くよぉ!じゃぁ後でね♪》


《おう!ありがとな♪》




冷夏に会える


これで3回目だ!!



何度も、何度も店に顔を見に行こうかと思ったけど、冷夏に許可を得ることができなく


それに、冷夏を誘う勇気なんて全くない。



それでも、もう冷夏に会いたくてどうしようもなくて心を決めて入れたメール。



俺は自分の勇気に感謝した



「よしっ!!パチ屋行くぞ~」



冷夏の出勤時間まで後、6時間位はあるのに



俺はすぐに支度をして、車に乗ってパチ屋へと向かった




「おう~中西っ!なんだよぉ~浮かない顔して!」


「うおっ!!びっくりしたなぁ!さと、お前なんなんだよ!」


「いや、べつにぃ~♪」


俺は大好きなアーティストの歌を口ずさみながら、中西の隣の台に座った


「気持ちわりぃ~よ、お前…」


「よし!最近やられてばかりだから頑張るぞっ!!」



そんな俺に中西は台と俺の間に顔を突っ込んできた



「な、なんだよ!!」


「何があったんだよ!!今日はご機嫌じゃねぇ~かよ!!」


「ちょっとなっ♪」


「はい!うざいから!!お前は本当に分かりやすいよな?うぜぇ~」



「冷夏が、店の前に寄るんだよ!!」



「はっ?そんだけ?」



「そんだけじゃねぇよ!!俺にとっちゃ重大なんだから!!」



「あほだわ」



「うるっせぇ~って」



「マジなんだな」



「おっ!!!入った!!よっしゃぁ~!!」



スロットが大当たりして、喜んでる俺を中西は冷たい目で見ていた



「マジ、単純なやつ」