ウシロスガタ 【完】

「どうよ?最近……」


騒がしい居酒屋の中で中西が俺にタバコの煙を吹きかけた。


「どうって…冷夏?」



「それ以外、何があんだよ!!」



「まぁな……」



「で、どうなの?会ったりしてんの?」



「してねぇーよ。毎日メールを朝方までしてる位だな」



「はぁぁぁぁあ!?お前、あれから1週間はたつぜ?メールだけって……」




「それがよ?毎日、俺の
メールに朝方まで付き合ってくれてんだよ…」




「毎日?そりゃぁ…すげーなぁ……冷夏チャンって昼間は仕事してねぇの?」




「してんだよ、普通にバイトをさ……」



「すげーな、それ…、寝てねぇーんじゃねぇ~の?」



「だからよ…なんかさ飲み屋の女ってそんなに頑張るのかな?」





「まずねぇーだろ?てか、店に誘われねぇの?」



「それが、1度もねぇ…」


「お前!それ…もたもたしてる場合じゃねぇーだろ」


「………」



「…っておい!なんでそんなテンションひきーの?」



「……俺さ、冷夏の事を手当たり次第色々聞いたんだよね」



「手当たり次第?」



「そぅ…アイツ地元らしくて〇〇高だったらしいよ?だから情報得たらよ……」



「なんだよ?なんかあったの?」



「レディースの頭だったらしいよ?しかも……」



「ヤンキーなの?」



「いや、見た目はそんな感じに見えないし…そう聞いても想像つかない位なんだけど…」




「後は、なんか聞いたのか?」



「それがよ……」