だんだん海の風が心地よくなって来た頃…



みんなの暑さとはしゃぎ疲れた顔ばかりが揃った




俺は結局、全然楽しめることが出来ず



今年初めての海を後にしようとしていた。




《冷夏?寝てんのか?俺は後少しで帰るよ!》



最後の冷夏からのメールから
もう4時間近くたっていた



――♪♪~♪♪~♪――



《帰りもさとクンが運転?》



俺が送った後にすぐ受信されたメールにびっくりしながらも、



またメールが途切れる事が
怖くて急いでメールを打った



《そうだよー!かなり眠いよ(笑)》



――♪♪~♪♪~♪――



《だから寝れば良かったのにぃ~!危ないよ!!
代わって貰えないの?》



《俺の車ぶつけられたら、へこむからなぁ~!》




《(笑)そっかぁ…でも、気をつけて帰って来てね》



“気をつけて…かぁ…。”



何気ない言葉でも、
冷夏の言葉は俺の鼓動を早くさせた



《ありがとうな!またメールするな♪》




《うん♪安全運転ね!!》



俺はしばらくメールを眺めて
携帯を閉じた


「よぉ~し!帰ろう~!」


そこには、来る時とは別人の俺がいた



「なんだよっ♪…!?」



呆れた顔して俺を見る中西に明るい声で話しかけた



「お前ってマヂ単純なぁ~
わかりやすいだろ!」



「だってよ?面白くねぇーんだもん、ただの人数合わせなんてよ?」



「いや、ちげーだろ…それ以前の問題だろ?冷夏チャンが頭から離れなくてよ…」


「うるせーよ!早く帰ろうぜ!!」



「はい、はい……」




俺はみんなより先に片付けをして車に乗り込み




大好きな女のアーティストのCDをガンガンにかけた