ピンクのホタルが現れた
俺の部屋の中で寂しそうに点滅を続けている。
俺が見つめていればずっと光を放ち続けるであろう。
大切な大切な繋がりのメールを届けるまで
役割を果たすまで……。
《いってきます》
そのメールを開いた瞬間にピンクのホタルは消えた。
《いってらっしゃい》
そう、もう疲れてしまったようなんだ
一生懸命、俺たちを繋ぎ続けていてくれたホタルも……
どうやら、力つきてしまったらしい。
それでも、最後に一度だけ……
力をふりしぼって姿を現してくれたんだ。
暗闇の中から、ピンクのあかりが点滅し続ける。
しばらく、そのホタルを見ていたよ。
それで、そのホタルにつぶやいたんだ。
「また、俺の元に現れてくれな」……と。
“また、俺たちを繋いでくれ”……と。
それまでは「さよなら」---。



