ーー♪♪〜♪〜♪♪〜−−


呑気な曲が俺の枕元から聞こえる……


「はぁ〜」


携帯に手を伸ばし、通話ボタンを押すとテンションの高い奴の声が聞こえた。



「なに?」


「おおっ?またしてもテンションの低いさとクン、今度はなんですか?」


酔っているのか、今の俺の心境に中西の声があまりにもイライラをヒートアップさせる。



それにしても毎回コイツはなんなんだ……


まるで俺の心を読み取る機械でも持っているかのように、タイミングが良すぎというか悪いというか……



「つーか、なんの用だよ!」


呆れた声で、話すと中西はよりいっそうバカでかい声で話しはじめた。



「飲んでるんだけど、こねぇ〜?」


「あ、行かねぇ……」


「ずいぶんと即答じゃね〜か、どーせ冷夏チャンと喧嘩でもしたんだろ?」


「してねーし、うるっせ〜!」


大きなため息と共に、電話をきると再びかかってきた。



「おめぇ〜はしつけーんだよ!」


「さと、はやまるなよ!後悔すっから」



そう言うと今度は中西が電話を切った。




「マジ、コイツはなんで……」



画面の光ったままの携帯を見ながらつぶやくと、首をかしげながら雑に携帯を置いた。




「あ〜!!もう、わけわかんねぇ……」



自分でも、なにがしたいのか分からなかった。



ただ、もう……



限界だった。



冷夏を愛しすぎてしまったんだ……。



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『好きでも、どうにもならないこともあるって……』



『違う、違うよ冷夏。それは状況だよ、結婚してたりしたら、あるかもしれないけど、でも結婚してたって、気持ちがあれば、どうにかなったりもする。絶対なんて言えないど、でも本物なら……』



『本物なら……?』



『どうにもならない事なんてない』



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あの時、自分が吐いた言葉は嘘だったのだろうか?



何度もこの日、自分に言い聞かせた。