この気持ちを冷夏にぶつけてもアイツを苦しませ、また辛くさせるだけなのも分かってる。



けして弱音を吐かない冷夏。



それは強いからじゃない。



俺の為を思ってなんだ……。



いつも言いたい事をぶつけ感情をされけだす自分。


それにいつでも目を反らさずに受け止めようとする冷夏。




俺は、冷夏に何をしてやったのだろう……


時々、冷めた目つきをしていたあの瞳の裏側から温かさを差し込む事が出来たのだろうか……




分からないんだ。


ボーッとカーテンの隙間から窓の外を見ると外はもう暗くなっていた。



ピンクの蛍がうす暗い俺の部屋の中を照らす……



俺はそれを包み込むようにそおっと手に取り、メールを開いた。




《愛情たっぷりかっ♪大事に大切にするからね!》



そのメールを見ても素直に喜べずに、返信もせずに携帯を閉じた。



ずっと流れ続けていたコンポの電源を切り、うす暗い部屋で、時計の秒針の音だけが、悲しそうに響く……


それがまた俺を孤独にさせる。




「逢いてぇ~よ」



今日は冷夏は仕事じゃない、逢いたくても逢えない。



それがまた俺の心を暗闇におとしていった。