「きっとさ、変な風に思うよね?」


「なんで?」


声のトーンの低さから、不安が伝わってきていた。



「だってさ、外でてもすぐに……」


「いいんだよ!いいんだ!!」



なんだか、冷夏の口からはどうしても悲しい言葉を聞きたくなかった。



きっと、俺と同じことを思っているだろうから……



「翔クン?」


「んっ?」


「ありがとうね」


「は?なにが?」


とびっきりの笑顔でその言葉をつぶやいた冷夏に俺の心臓は凄いはやさで動き始めた。


ありがとうが、悲しく聞こえる……



「好きになってくれて」



感じてしまったんだ……



俺と冷夏の間にある距離を……。




こんな近くにいるのに、


心も繋がっているはずなのに……



冷夏の『ありがとう』が距離を……。



俺たちが離れてしまうような距離さえも、感じてしまった。



「ばか言ってんじゃねぇ~よ」



そう言いながらも俺の心は壊れてしまいそうだった。