ウシロスガタ 【完】

どんどん、汚れてしまっていたんだ。



冷夏への気持ちが大きくなるにつれて




どんどん、欲の塊だけの男に……。




そんな俺でも、冷夏はいつも幸せを運んできてくれた。




たとえ、小さな幸せでも



大きくして、俺に運び続けてくれた。




“普通の恋人同士なら”



そう何度も何度も思ったりした自分が情けねぇよ……





冷夏は、そんなこと望んでなんかいなかったんだな。




小さなことでも、幸せだと俺に言い続けてくれた。





忘れていたんだ……




大事な大事な自分の本当の気持ちを。



俺は自分を信じてやれなかった。




大切なものはただ1つだけなんだよな




それが、今ちゃんとここにあるんだ。




俺の心の中に---