「さみ~っ」
部屋に戻ると、窓は全開のままで少しだけ顔を出し外を眺めた。
冷夏と付き合うようになってから、時々開けるようになった俺の部屋の窓……
なぜだか、冷夏と一緒にいた風を部屋にいる時も感じたくて、時々こうして風にあたっていた。
だけど、あの時のような心地よい風なんかじゃない。
もう、その風は半袖でいる俺にはとてもじゃないけど心地よいと言えるものじゃなかった。
今まで、俺が1番好きだった季節の“秋”
今じゃ、とても嫌なもので
きっと“これからもこの季節は嫌いになるだろう”そう思いながら、窓を少し閉めた。
そして、俺の視線はベッドの上に無造作に置かれた携帯へと向けられ、開く前にピンクの蛍が点滅していないかジット見つめていた。
「入ってるわけ、ね~か」
もしや、俺の携帯も役目を果たし終えてしまったのか……。
あの時は、いつでも何処でも携帯を離さずにいた。
冷夏とのメールのやり取りが途切れてしまわないように風呂場まで、持って行ったこともあり、
その話しを、冷夏に言ったら、馬鹿にしながらも幸せそうに笑っていたっけ……。
毎日、繋がっていたメール。
携帯を手に取り、冷夏が居酒屋で言い放った最後の言葉を思いだし、メールを開き返信ボタンを押した。
そう、俺は所詮、自分が傷つくことにずっと恐れていただけ
愛だの、恋だの、散々語っておきながらも、
ただ、冷夏が俺の傍からいつか消えていくことに脅えていただけなんだ。
『逃げてんだよ』
そう、冷夏の言うとおりだよ。
俺は逃げることの方が楽だって思っていたんだ……。
部屋に戻ると、窓は全開のままで少しだけ顔を出し外を眺めた。
冷夏と付き合うようになってから、時々開けるようになった俺の部屋の窓……
なぜだか、冷夏と一緒にいた風を部屋にいる時も感じたくて、時々こうして風にあたっていた。
だけど、あの時のような心地よい風なんかじゃない。
もう、その風は半袖でいる俺にはとてもじゃないけど心地よいと言えるものじゃなかった。
今まで、俺が1番好きだった季節の“秋”
今じゃ、とても嫌なもので
きっと“これからもこの季節は嫌いになるだろう”そう思いながら、窓を少し閉めた。
そして、俺の視線はベッドの上に無造作に置かれた携帯へと向けられ、開く前にピンクの蛍が点滅していないかジット見つめていた。
「入ってるわけ、ね~か」
もしや、俺の携帯も役目を果たし終えてしまったのか……。
あの時は、いつでも何処でも携帯を離さずにいた。
冷夏とのメールのやり取りが途切れてしまわないように風呂場まで、持って行ったこともあり、
その話しを、冷夏に言ったら、馬鹿にしながらも幸せそうに笑っていたっけ……。
毎日、繋がっていたメール。
携帯を手に取り、冷夏が居酒屋で言い放った最後の言葉を思いだし、メールを開き返信ボタンを押した。
そう、俺は所詮、自分が傷つくことにずっと恐れていただけ
愛だの、恋だの、散々語っておきながらも、
ただ、冷夏が俺の傍からいつか消えていくことに脅えていただけなんだ。
『逃げてんだよ』
そう、冷夏の言うとおりだよ。
俺は逃げることの方が楽だって思っていたんだ……。



