“ビデオ屋か……”
気を紛らわす為にビデオ屋に入ったつもりが、ここまで来ても冷夏の姿を探していた。
少し前、まだ夜の風が生ぬるかった頃……
冷夏は店が早く終わり、このビデオ屋にいた。
友達と飯を食いに行ってた俺は冷夏からの《終わったよぉ!ビデオ屋にいるよ★》というメールの受信とともに、急いでこの場所に飛んできたことがあった。
もちろん友達も引連れて……
少しだけ、友達に冷夏を自慢したかったことも正直あったけど。
《今、ビデオ屋の駐車場だよ!!》
そんな俺のメールにビデオ屋から飛び出て来た冷夏を見て、俺はまたしてもドキンと胸が高鳴ったのを、今でも鮮明に思い出す。
真っ白いスーツをバッチリ着こなした冷夏。
友達が俺の冷夏だとは知らずに見入ってる中、なぜだかあれが冷夏だと説明出来ずにいて、黙って車から降り、冷夏の傍に歩きだしていた。
傍にいない冷夏は俺からは凄く遠い人に思えて……
そんな俺の不安そうな顔を見て、なにかを察知したのか
車の中に、俺の友達が乗ってるとは知らずに、そっと抱きしめてくれていた。
恥ずかしいとか、
冷やかされるとか、
そんな事はどうでもよくて、冷夏をおもいっきり抱きしめていた。
『んっ、トイレ行きたい……』
そんな普段の飾らない冷夏に俺は大爆笑しながら、友達をおいてトイレに一緒に行った。
もちろん、その後に友達にちゃんと紹介して
『お前、奇跡だろ……』
そう友達から、散々言われたのは言うまでもない。
あの時、たかがビデオ屋なくせに、俺と冷夏はバカみたいにはしゃいでいた。
“懐かしいな……”
まだ、そんなにあれから経ったわけでもないのに、なんだか遠い昔のように思えた。
別に、なにか借りたいものがあったわけでもない俺は、あの時ビデオ屋の中で楽しそうにしていた冷夏の姿を思い出していた。
気を紛らわす為にビデオ屋に入ったつもりが、ここまで来ても冷夏の姿を探していた。
少し前、まだ夜の風が生ぬるかった頃……
冷夏は店が早く終わり、このビデオ屋にいた。
友達と飯を食いに行ってた俺は冷夏からの《終わったよぉ!ビデオ屋にいるよ★》というメールの受信とともに、急いでこの場所に飛んできたことがあった。
もちろん友達も引連れて……
少しだけ、友達に冷夏を自慢したかったことも正直あったけど。
《今、ビデオ屋の駐車場だよ!!》
そんな俺のメールにビデオ屋から飛び出て来た冷夏を見て、俺はまたしてもドキンと胸が高鳴ったのを、今でも鮮明に思い出す。
真っ白いスーツをバッチリ着こなした冷夏。
友達が俺の冷夏だとは知らずに見入ってる中、なぜだかあれが冷夏だと説明出来ずにいて、黙って車から降り、冷夏の傍に歩きだしていた。
傍にいない冷夏は俺からは凄く遠い人に思えて……
そんな俺の不安そうな顔を見て、なにかを察知したのか
車の中に、俺の友達が乗ってるとは知らずに、そっと抱きしめてくれていた。
恥ずかしいとか、
冷やかされるとか、
そんな事はどうでもよくて、冷夏をおもいっきり抱きしめていた。
『んっ、トイレ行きたい……』
そんな普段の飾らない冷夏に俺は大爆笑しながら、友達をおいてトイレに一緒に行った。
もちろん、その後に友達にちゃんと紹介して
『お前、奇跡だろ……』
そう友達から、散々言われたのは言うまでもない。
あの時、たかがビデオ屋なくせに、俺と冷夏はバカみたいにはしゃいでいた。
“懐かしいな……”
まだ、そんなにあれから経ったわけでもないのに、なんだか遠い昔のように思えた。
別に、なにか借りたいものがあったわけでもない俺は、あの時ビデオ屋の中で楽しそうにしていた冷夏の姿を思い出していた。



