ウシロスガタ 【完】

―♪〜♪♪〜♪〜♪♪―


車の中で寂しそうにしていた俺の携帯が音を奏で始めた。



冷夏とお揃いにした同じ曲。


ボーッとしながら響き渡る曲を暫く聞いていた。



―――んっ!?



冷夏と同じ曲……?



咄嗟にダッシュボード方に目をやり携帯を手に取ることもないまま見つめていた。



メールの受信が終わり、音を奏でることを止めた俺の携帯は光を点滅し始めた。




そこには……


ピンクの蛍が光を放っていて、ダッシュボードにゆっくり手を伸ばすと蛍は俺の手の中で光り続けていた。




――受信メール1件――



開いたと同時に画面にうつる文字を見た瞬間、何も躊躇することもなく



俺は冷夏からのメールを開いた。