ウシロスガタ 【完】

「うわっ……!!」



冷房で冷えてるはずの部屋にいる俺は、汗でビッショリだった



「って夢かよ……」




携帯の時計を見ると夜中の十二時を過ぎていた




「寝過ぎだろ…」




さっきの変な夢が
起きてるはずの俺の脳の中に纏わり付いている




「いっちゃってんな俺…」



そう思いながら携帯を開き何故だかセンター問い合わせをした




――新着メールなし――




俺はそのまま冷夏へのメールを作り送信した




《起きてる?今起きたけど寝過ぎたよ…》




――ブブブーブブブ――



メールを知らせるバイブ音が
何故か俺の心を落ち着かせた




《起きてるよ!!寝てなかったから疲れてるんだよ…でも朝早いんでしょ?
また寝れなくない?》




《マズイよな…寝ないでこのまま起きてるよ!》




《マヂ?運転でしょ?》




《いいの!冷夏に朝まで
メール付き合って貰うから♪》



気付いたら俺は、冷夏にそんなメールを送っていた



返事が、怖かった……。



――ブブブーブブブ――



「本当バカだな、俺……」



そう思いながらメールを開いた



《しょうがないなぁ~♪
いいよ!朝まで付き合ってあけるよ!!》




「……えっ!!」




これが、ただの客にしてくれる事か…?



飲み屋の子ってこんな頑張るのか…?




《バカじゃねぇーの?嘘つくなよ!寝るくせに!!》



《寝ないってば!朝まで付き合うって言ったじゃん》



《じゃあ、付き合って貰おうじゃねーか!!》




《さとクンこそ、寝ないでよ?》




《絶対寝ねぇー!!》





なぁ……



誰か教えてくれよ。




俺は冷夏を好きになっちゃっていいのかよ…




俺……




傷つくのが怖いんだーーー