ウシロスガタ 【完】


ーーーーーーーーーーーー



「俺、もうどうしたらいのか分からねぇ〜んだよ」




「翔クン……」



「このまま、ずっと冷夏が旦那の傍にいる事がもう、耐えられなくなってきたんだ」




「……そうだよね、やっぱり今があればそれでいいなんて、そんな風に思えないよね」




「冷夏とこの先、未来がないって分かっているなら、俺……無理かもしれない」




冷夏は、俺の眼をじっと見つめ離さなかった。




「そう……」



「だって、そうだろ?お前を求めちゃうんだから。ずっと傍にいてぇって思うんだよ!!」



「………」




「人を好きになる事って、やっぱり辛いことのが多いよね」




「辛くても、未来があるなら頑張れるよ!!幸せになれる日を夢見たら頑張ろうって思える」




「未来がないって思うと、頑張れないの?好きな気持ち押し殺せるの?」




「だってよ、この人とずっと一緒にいたい…って普通思うだろ?それを否定されたら無理だろ」




「じゃあ、無理じゃん……」



「は?」



「じゃあ、無理だね」



「なんだよ、それ……」



「………」



「無理なの?」



「辛いことばっかりだね、だから無理なんだよ!!」



「じゃあ、嫌いになってやるよ!!!」



「わかったよ」




ーーーーーーーーーーーー





唇を噛みしめながら、立ち上がった冷夏の顔を




俺は最後まで見ることが出来なかった。




でも、冷夏は俺との未来を否定した





否定したんだ……