「なんか初めてだったねっ、ドライブも…こんなに長い時間一緒にいられた事も……」


「そうだな、なんか夢の世界に入っちゃったみたいだよな?」



「アハハッ♪夢の世界?そうだね!」




車を停めた場所は、どちらかの家じゃなく



いつもの秘密の場所だった


冷夏の車が置いてある秘密の場所。



きっと普通の恋人同士だったら……




最近、しょっちゅう頭の中にそんな思いが横切る。



「夢の世界だろ」



冷夏には分からないかもしれないけど、


冷夏に逢う時はいつも夢の中に入り込んだみたいなんだ。




目を覚ましたら“ああ、夢だったのか…”そう肩を落とす。




俺が冷夏とバイバイした後に感じる現実を受け止める苦しさ……



本当に冷夏との時間は夢を見てるみたいでならない。


「そうかもしれないね、そろそろ現実に戻るんだね」


静かに話す冷夏をおもいっきり抱きしめた。



「俺のこと好き?」



「愛してる……」




夢から覚めた時にも、温もりが残るようにと



俺たちは苦しみや寂しさをぶつけ合うかのように




そして、お互いが受け止めるかのように……




熱くて激しいキスをした……