ウシロスガタ 【完】

あんなにも大好きな冷夏と、こんな事をしてる。



そして、これから冷夏と……



今までにない激しいキスをしながら俺の頭の中はどうにかなっちゃいそうなくらいだった。




「冷夏……」



照れ臭そうに顔を背けた冷夏の首すじに優しくキスをしながら、冷夏の服を脱がせようとした



「翔クン……」




不安そうで俺を見つめる冷夏に優しいキスをしながら頭を撫で強く抱きしめた。


分かってる……



冷夏の不安そうな顔をした理由を。



「大丈夫だよ」



俺の言葉に頷きながら、目を閉じてる冷夏にもう一度キスをし服をゆっくり脱がせた。



目に飛び込んできたのは




痛々しい胸の傷……



“性処理場だったの……”



そう、涙を流しながら話したあの時の冷夏の顔が浮かびながらも



自然と手を傷の上に乗せていた。



引き攣りながら俺を見つめた冷夏をおもいっきり抱きしめた。



「ずっと俺が傍にいるから」


「ありがとう、愛してるよ」



本当は傷跡を見た瞬間に顔も分からない相手に殺意が芽生えていた。



こんな傷を残させた事が許せなくて怒りで満ち溢れていた。



なのに、冷夏が初めて口にしてくれた「愛してるよ」と言う言葉に目頭が熱くなり



これからは俺が冷夏を守ってやるんだ!!




そう強く思いながら傷跡にキスをすると冷夏が幸せそうに笑い俺にしがみついて来ていた。





俺は、この日初めて冷夏を抱いた。



壊れてしまいそうな人形を優しく扱うように




冷夏を何度も抱きしめキスをしながら



優しく抱いた……。