ウシロスガタ 【完】

変な緊張感……


俺たちはベッドに入りながらもただ、手を繋いでいるだけで


俺と冷夏の間には少し距離があった。



沈黙と言うものが、こんなにもドキドキするものだっただろうか。



静かな部屋に響き渡る音楽


横目で冷夏を見ると、視線を感じたのか目が合い



思わず苦笑いをしながら視線を反らした。




“冷夏を抱きたい”



心の中ではそう思っているのに行動が移せない。




あまりの緊張に俺は心臓がバクバクいいながら動き、胸が苦しくなっていた。




「翔クン?どした?」



俺に少し近付いて来て、目の前にある冷夏の顔を見てより一層、俺の心臓は動き始める。



「あ、いや…何でもないんだけどさ」



「んっ?」




なんて情けない男なんだろうか



この空間が俺の心を乱して行くんだ




俺は冷夏の頭を撫でる事が精一杯だった。