俺は突然、繋いでる手を放し、起き上がってベッドに座った。


「どうしたの?」



俺のいきなりの行動に慌てた冷夏も体を起こし座った。



「俺の気持ちを知って欲しい」


「えっ?」



「真剣な話しをしたいんだ」



こんな場所でベッドの上でかしこまって座っている2人が果たしているのだろうか……



それでも冷夏は優しい顔つきで俺を見つめていた。



分かっていたんだ……



冷夏を抱いてしまったら、もっともっと贅沢になってしまう事を。



それでも、けして中途半端な気持ちじゃない事を冷夏に分かって欲しかった。



「冷夏と一緒になりたいと思ってる……」



「うん」




「仕事を本格的に探そうとしているんだ」




「うん」




「行動に出さなきゃ、いくら冷夏と一緒になりたいって言ってても口だけになっちゃうから」




「うん」




「本気で旦那から冷夏を奪いたい!」



「冷夏だって、ずっと翔クンと一緒にいたいって思うよ」



そう言った冷夏の目には光るものがあった。



どうして泣くの?



「翔クン……!!」



その瞬間、冷夏は俺に抱き着いて来た。



「もぅ離れたくないよ」



「俺だって、離したくないよ」




そう言いながらおもいっきり抱きしめた。