ウシロスガタ 【完】

部屋の番号に向かって俺たちは歩きだした。




いつしか、冷夏が俺の腕から離れ、俺の後ろをひたすら歩いていた。



ーーガチャーー




俺たちの部屋の番号を確認して、何も躊躇せず俺はドアを開けた。





本当は、心臓がわけも分からなく動いているってのに、俺は冷静さを装い部屋に入った瞬間に足を止めた。




「翔クン……?」



一歩が踏み出せない俺に、冷夏は後から俺の名前を静かに呼んだ。



「あ、ごめん」


「う、ううん」



そんな冷夏も態度がおかしく、緊張してるのがすぐに分かった。




「なんか、すげーなぁ!!これじゃ、変な緊張するわ」



目の前におる大きなベッドを前に、俺は甲高い声になり話してた。




「ホントだよね?」



「すげーなぁ!!」



そう言いながらベッドに飛び込むと、隣で見ていた冷夏も俺の真似をしてベッドに飛び込んだ。



「わぁ~い!!なんだか寝れちゃいそうだな♪」



そう言いながらベッドに顔をうずめながらはしゃぐ冷夏はやっぱり、子供のようだった。




「本当に、お前は子供みたいだな!!」



「そんな事ないもん!!」



そう言いながら、また俺を真似て仰向けになった冷夏を見て、胸が熱くなった。