ウシロスガタ 【完】

「どこがいい?」


たくさんある眩しいネオンの光の中を通り縋って行くうちにそんな質問を冷夏に向けていた。



「えっ…?どこでもいい」


聞かなくても分かる冷夏の優柔不断さには承知していたものの、一瞬戸惑った俺がいた。



こうゆう時って男がバシッと決めるものなのだろう



嫌われたくない一心で、俺は何気ない顔をして迷わず目の前にあったホテルの中へ入って行った。



俺の心臓はもうバクバクいっていて


そんな心臓の音が冷夏に聞こえちまってないか横目で見たりして……



それでも平然装って平気な顔をしている俺の姿を出来れば冷夏に見られて欲しくなかった。



「着いたぞ!」


「うん」



駐車場に停めた俺は冷夏より先に車を降り、少し先に歩いてた