ウシロスガタ 【完】

「なんでだよ……」


それは、悲しい別れを意味する曲。



よく聞かなければ気付かなかった……



今まで何度も聞いてたくせに気付かなかった……



冷夏はいつもこんな思いをしていたのか。



“好きだから別れる”



そういう女の気持ちが綴られてた曲。




俺はおそるおそる携帯を取り出し、昼間入ってきたメールをもう一度開いた。




“ありがとう”




その言葉を最後に残した冷夏……




俺は冷夏に何をしてやったのか




おかしくなりそうな俺の頭



おかしくなりそうな俺の心



「冷夏!!!」



車の中でそう叫び、俺はギアをドライブに入れて路地裏を抜けて



秘密の2人の場所をあとにした。