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「ばーか、俺は本気だよ?冷夏とこれから先すれ違ったりしたら、ずっとここで待っていられるよ?」
「冷夏だって同じだよ?」
「いやぁ~冷夏は無理だなぁ……」
「なんでよ!!」
「寂しがり屋サンだからだよ!」
「冷夏も待っていられるもん……」
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そう、話していたあの日の会話が俺の中で繰り返され、向かう先は冷夏との秘密の場所だった。
「いる訳ね~か……」
そう思いながらも、いつもの場所に車を停めて俺は外に出た。
もう12時……?
俺は一体、昼間から、どれだけあの暗い部屋に閉じこもっていたのだろう。
初めて、冷夏と抱き合った場所に腰を下ろし、目についたミサンガを触った。
「出来たぁ!!」
俺の足に付けれたことで、喜んでた冷夏の姿が浮かび……
「冷夏が作ったんだよ……」
まさか冷夏が自分で作ったものだとしらずに、疑った時の冷夏の寂しそうな表情。
どんな冷夏の表情も愛おしくて、
それでも、俺は今までにないくらいの幸せをこのお揃いのミサンガを貰ったことで喜んでたあの日……。
あれから、お風呂に入る度に見つめてはニヤケテいた俺……。
なんだか、少し前の出来事が、随分と昔のことのような気がして胸が痛んだ。
俺は昔によくやった体育座りをしながら、小さくなり顔を伏せた。



