ウシロスガタ 【完】

蒸し暑い部屋が体中を痒くさせる……


エアコンのスイッチを付け、ベッドに倒れこんだ。



右手には携帯電話……。



昼間なのに雨戸もカテーンも閉めたままの俺の部屋に、携帯から放つピンクの光が冷夏の存在を知らせてくれている。



「冷夏はピンクの蛍……」



点滅を繰り返すピンクの蛍を眺めながら俺は冷夏からのメールを開く決心を固めていた。



「逃げるかよ!!」



突然横切った中西の言葉に押され、俺は勢いよく携帯を開き冷夏のメールを開けた。


。。Dear*翔クン。。


題名に書かれた俺の名前。


初めての送り方に少し動揺し、俺の心臓はおかしな動きをしていただろう……。


長い瞬きをしながら、本文の方に少しずつ目線をずらして行った。