ウシロスガタ 【完】

「久しぶりじゃねーかよ、お前生きてたの?」


「死んでんのも同様だよ」

「まぁ…そんな顔じゃな、分かりやすい男だ」



それ以上に何も聞いてこようとしないのが、コイツの優しさ……。



俺は中西の隣の席に座り大きくため息をついた。



「うるせーな、頭いてーわ」



久しぶりに来たパチンコ屋の騒がしい音が俺のいっぱいいっぱいの頭の中に亀裂を走らせる。



「じゃ、帰れば?」



スロットを打ちながらタバコをふかし中西はさらっとそんな言葉を漏らした。



中西の言葉が平常心じゃない俺の胸に突き刺さり、負けじとスロットの台にお金を入れた。



そんな俺に鼻で笑うアイツは悔しいけど、俺をよく理解していた。